経営者の「壁打ち相手」はどう選ぶ? — 顧問・コンサル・コーチの違いと使い分け
経営者やリーダーの方と話していると、「気軽に相談できる相手がいない」という言葉を本当によく聞きます。社内には立場上言えないことがあり、家族に話しても事業の文脈が伝わらない。同業の友人には手の内を全部は見せられない。
考えを口に出して、打ち返してもらいながら整理する相手。いわゆる「壁打ち相手」は、役職が上がるほど自然には手に入らなくなります。この記事では、壁打ち相手の選択肢を整理して、それぞれ何が得られて何が得られないのかを考えます。
この記事でわかること
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壁打ち相手の4つの選択肢
壁打ち相手になり得るのは、大きく分けて4タイプです。
顧問・メンター: 経験に基づく「答え」と人脈をくれる。ただし、その人の成功体験の範囲に答えが寄りやすい
コンサルタント: 情報と分析をくれる。ただし多くはプロジェクト単位の契約で、あなた個人の思考の癖までは付き合わない
友人・同業仲間: 共感と率直さをくれる。無料で気楽。ただし守秘の保証がなく、利害が重なる相手には話せないテーマが残る
コーチ: 答えではなく「問い」をくれる

コーチという壁打ち相手の特徴
コーチングが他と違うのは、相手があなたに代わって答えを出さないことです。これは物足りなく聞こえるかもしれませんが、経営判断の壁打ちでは大きな意味を持ちます。最終的に実行するのも、結果を引き受けるのも自分である以上、他人の答えは案外使えないからです。
もうひとつの特徴は、利害の外にいることです。あなたの会社の売上にも、社内政治にも、コーチは利害を持ちません。だから「この人にどう思われるか」を気にせず、まだ形になっていない考えをそのまま出せます。
そして継続すると、思考の癖が見えてきます。「この人は追い込まれると選択肢を狭める」「この言葉が出るときは本心と違う」。定点で話を聞き続ける相手だからこそ返せるフィードバックがあります。
良い壁打ちが成立する3つの条件
タイプがどれであれ、壁打ちが機能する条件は共通していると感じます。
守秘が保証されていること。 話が漏れる可能性が1%でもあれば、人は本当のことを話しません
利害の外にいること
問いの質。 「それで、どうしたいの?」しか返ってこない壁打ちと、「それは撤退の話?それとも縮小の話?」と解像度を上げてくる壁打ちでは、30分後に見えている景色が違います

「歩きながらの壁打ち」という形
私は企業研修に年間200回以上登壇するかたわら、個人向けに「おさんぽコーチング」という歩きながらの壁打ちを提供しています。歩きながら話すと発想が広がりやすいことはスタンフォード大学の研究(2014年)でも示されています。
詳しくは関連記事「歩きながら考えると、なぜ答えが出るのか」にまとめています。
会議室で向かい合う壁打ちより、同じ方向を見て歩きながらの壁打ちのほうが、まだ固まっていない構想は口に出しやすいものです。
まとめ
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壁打ち相手を探している方は、選択肢のひとつとして歩きながらの壁打ちを試してみてください。
追伸:4つのタイプを偉そうに並べましたが、人の話を聞く仕事をしているほど、自分の話を聞いてもらう場が要るなと思います。壁打ち相手が要らない人なんて、たぶんおらんのです。
この記事を書いた人: 桜井夏輝(おさんぽコーチング創案者)。企業や教育機関向けの研修に年間200回以上登壇しながら、歩きながら話す1対1のコーチングを提供しています。プロフィールはこちら



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